誰かのためのブログ

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Thom Yorke - Creep - 君の魂を愛に浸せ

Immerse your soul in love

 

トムヨークがそう歌ってる。

 


トムヨークがボーカルをしているレディオヘッドと出会ったのは、高校の頃。

 


始めはニルバーナやオアシスなんかと同列の洋楽の1つのバンドだった。

 


いや、それは嘘になるかもしれない。

実は粘っとした複雑な楽曲はむしろ、思春期の僕にとっては、取っ付きにくかった。理解し難かった。

 


それからしばらく経ち、ちょうど大学生になってしばらく経った頃、

人付き合いやこれからの人生に嫌気がさしていたころ、

ふとした時に、Creepを聴いた。

 


英語が出来ない僕は和訳を読みながら聴いた。

 


But I'm a creep, I'm a weirdo.

What the hell am I doing here?

I don't belong here

 


だけど、僕はうじ虫だ。

気持ち悪いやつだ。

ここで一体何をしているのだろう。

ここは僕の居場所じゃないのに。

 

 

 

これは僕の歌だと思った。

 


失意のどん底にいる僕に届く他人の言葉なんてないと思ってた。

 


遠いイギリスからそんな言葉が届くなんて思っても見なかった。

 


ドロドロとした薄暗い沼のような心の中に

一雫の水滴が浸透してきて、

ぼんやりと光が灯った。

 


そんなことがあるだろうか。

 


ブルーハーツが歌っていた、心のずっと奥の方。

それは確かに僕の心にもあった。

 

 

 

そこから片っ端からレディオヘッドを聴いた。

 


霧が晴れて視界が開けたように、

数々の楽曲に、僕の胸は踊った。

 


複雑で繊細で、優しく激しく、

身体中に浸透してくる、美しい振動。

狂おしい歌詞とリズム。

 

 

 

そして、忘れもしない@SUMMER SONIC 2016

 


始めてのレディオヘッド

1. Burn the Witch

2. Daydreaming

3. Decks Dark

4. Desert Island Disk

5. Ful Stop

6. 2+2=5

7. Airbag

8. Reckoner

9. No Surprises

10. Bloom

11. Identikit

12. The Numbers

13. The Gloaming

14. The National Anthem

15. Lotus Flower

16. Everything in Its Right Place

17. Idioteque

 


Encore

18. Let Down

19. Present Tense

20. Nude

21. Creep

22. Bodysnatchers

23. Street Spirit (Fade Out)

 


マリンスタジアムで、陶酔した。

いつもCreepを披露しないレディオヘッドが前回のサマーソニックに引き続き、今回も披露してくれた。

 


なぜか日本人が大合唱だ。前回も今回も。

こんな歌詞の歌を大合唱するなんて、トムヨークもびっくりだろう。

きっとこの曲は失意のどん底でできた歌だから。

 


そして、もう一つ大切な曲。Daydreaming。

 


この曲まで歳を重ね、大切な別れを経て、人生の半分を終えたトムヨークは、仙人になった。

 


計算し尽くされた芸術は、

複雑で難解な芸術は、

心の深い深い奥の方に到達する術だ。

 


そして、それは僕達の心の支えになる。

 


トムヨークはそれを知っている。

 


ありがとう。