誰かのためのブログ

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米津玄師 - 歌の居場所

矢沢永吉が、

『もう今ね日本さもうガキばっかりの音楽だから大人の音楽そろそろ出さなきゃまずいんだよ』


と言った。


たしかに、と頷ける。

 

 

一部のアーティストを除き、

ストレートすぎる歌詞、語彙力や哀愁というものが、時代の流れで淘汰されてしまったかのような音楽が、日本の音楽界を席巻している。


仲間、感謝、絆、、


素人の僕でも思いつきそうな歌詞。

 

 

僕は思う。


シンプルなストレートのロックは、

ブルーハーツが演ったからもういいよ。


そうじゃなくて、プロのアーティストだったら、

誰も思い付かないような歌詞を披露してほしい。


あくまでも歌詞だ。

歌詞単体が芸術であってほしい。


鳥肌が立つような、

心が揺さぶられるような、

そんな歌詞を期待している。

 

 

僕が小さい頃の歌。


美空ひばり愛燦燦 1986年

『愛 燦燦と この身に降って

心秘そかな嬉し涙を 流したりして

人はかわいい かわいいものですね

ああ 過去達は 優しく睫毛に憩う

人生って 不思議なものですね』

 

 

ASKA はじまりはいつも雨 1991年

『君の名前は優しさくらいよくあるけれど

呼べば素敵なとても素敵な名前と気づいた

僕は上手に君を愛してるかい愛せてるかい

誰よりも誰よりも

今夜君のこと誘うから空を見てた

はじまりはいつも雨 星をよけて』


テイストは異なるがどちらも深い、

とても好きな歌詞だ。

 

 

最近の曲でもないわけではない。


米津玄師 パプリカ

『雨に燻り月は陰り木陰で泣いてたのは誰

一人一人 慰めるように誰かが呼んでいる

喜びを数えたら あなたでいっぱい

帰り道を照らしたのは思い出のかげぼうし』


子ども向けの歌だが、言葉の1つ1つが、大切に選択されているのが伝わってくる。


難しい言葉を使う必要はない。

言葉が連なってできる物語が感情に触れる。

 

 

米津玄師は、インタビューでこう答えている。


『ほんのわずかですけど、自分の居場所があるというのがとてもうれしいですね』


自分の居場所、というのは歌が人に与える影響のことを語っている。

 

歌の居場所だ。


歌は人の脳裏に刻まれ、思い出になる。

その歌を聴くと、当時の記憶が蘇る。


そんな力を歌は持っている。


そういう責任を背負ってくれるアーティストが売れる時代になって欲しい。